ゼミナール経営学入門 「第14章 リーダーシップ」

ゼミナール経営学入門 第3版
伊丹 敬之 (著), 加護野 忠男 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532132479/

第14章<リーダーシップ>

○リーダーの役割

組織の上、外、下に影響⇒下(部下、フォロワー)への影響が大きい

  ・仕事の遂行(マネジメント:役割・目標を決定、価値・行動規範を設定、仕事の指示、動機づけ、結果の評価・アクション)

  ・集団の維持(学習促進、社会的相互作用の場)

  ・仕事と集団の変革

○リーダーのパワーの源泉

 (組織が公式に与えた力)

  懲罰を与える力、褒賞を与える力

(フォロワーたちが感じるがゆえに与える力)

判断の信頼感、個人としての魅力、正当性

○リーダーシップのパラドックス

 ・一つの判断がある人にはプラス、ある人にはマイナス

 ・メンバーの信頼を得る判断が組織、業務にはマイナス
  (これまでに出てきた「マネジメント」に対するパラドクスと同様)

○リーダーの種類

 ・普遍的、状況対応的
  ⇒状況対応的の方が業務的には望ましいが、計算的というイメージ、当人の疲弊でマイナスになることも。原理原則に沿って普遍的の方が望ましいと考えられる。

 ・調整型、変革型
  ⇒相互の移行は困難(一貫性、既存のイメージなどにより)
  ⇒変額型リーダーの特徴は、大きな視野、深い思考、筋の通った決断、ぶれない判断

○補佐役

リーダーとの関係が微妙になりがち⇒リーダーとの強い信頼関係が必要
  役割:補完、狭義の補佐、諫言、てこ


<演習問題>

1.「何もする必要のない管理者が、最良のリーダーである」という逆説。  この真の意味を当章の議論を使って説明

 ⇒マネジメントではなくリーダーシップに集中
  自分が管理する必要のない組織を構築し、意思決定に十分な時間を割いている。

2.パワーの源泉としての「正当性」を次の三つの事例で検討  (本当に正当性を持っているか?持っている場合があるなら、その正当性そのものの理由は何か?)

①大企業のサラリーマン社長
⇒生え抜きの社長の場合は、従業員としての下積みがあり、その中でも結果を出してきた、という正当性
 外部からの場合は他社で行っていた実績等

②現場からのたたき上げの工場長
⇒ ①の生え抜きの場合と同様。

③旧共産主義国の共産党書記長
 ⇒③は官僚組織の頂点であり、一つの大きな組織において実績を積み、「マイナス」のない状態で昇進した、という正当性。

3.補佐役はどのような性格や条件を持っているべきか?   補佐すべき相手によってその条件は異なるか?   そもそも主人向きと補佐役向きのタイプがあるか?

 ⇒
 ・性格や条件:客観的・冷静な視点(「ダイの大冒険」ならポップ・マトリフの位置づけ)
  いわゆる「王佐の才」だが、現在では参謀タイプがトップで補佐役が前に出るタイプ・・・ということもあり得る。

 ・どのような形であれ、トップと相互補完的なタイプが望ましい。

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