【新世紀のコミュニズムへ 資本主義の内からの脱出】簡易レポート

【新世紀のコミュニズムへ 資本主義の内からの脱出】
大澤 真幸 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4140886528/

○この本を一言で表すと?

 資本主義の限界とコモンズ重視のポスト資本主義についての本

○よかったところ、気になったところ

・第4章だけ参考文献として人新世の「資本論」が出ていて、目次を見ると全般にわたって人新世の「資本論」と似たサブタイトルばかりで、「パクリかな?」と思ったものの、様々な哲学から現代社会とポスト資本主義について考察されていて、こちらの方が内容的には深く、面白いなと思いました。

・様々な哲学から現代社会とポスト資本主義について考察されていて面白いなと思いました。

・ベーシックインカムやMMTを批判的に採り上げ、惨事便乗型資本主義、惨事便乗型アンチ資本主義などのコロナ禍のような惨事に応じて極端な市場原理主義や脱市場主義が展開されることも批判的に採り上げ、コモンズを検討することが勧められていました。

・コモンズを検討する中で、コモンズを偽装して稼ぐ監視資本主義、集権的な監視を実行する中国のような権威主義的資本主義などにブレていくことについて触れられていました。

○つっこみどころ

・結論は、<未来の他者>と連帯して闘い続ければ「真に新しいこと」が実現されていく、それが新世紀のコミュニズムである、というふわっとした内容で残念でした。

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