【すごいインドビジネス】
サンジーヴ・スィンハ (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532263158/
○この本を一言で表すと?
インド人のインド推薦の本
○この本を読んで興味深かった点・考えたこと
第1章 成長を支える社会・経済インフラ
・「人口が多いからこそ、インドは成長できない」という問題意識については、別の本で知ったインディラ・ガンディーの採った強引な少子化対策などで知っていましたが、そのインディラ・ガンディーが進めた学校の建設が、メディアの発展や携帯電話の普及によって教育の重要性について認識させることでようやく花開き、初等教育の充実に繋がったというのは興味深いなと思いました。
第2章 モディ政権の特徴を知る
・グジャラート州の首相時代に成功した経験を持つ現在のインド首相のナレンドラ・モディについて紹介されていました。
ストイックでクリーンな政治家だそうですが、ヒンドゥー原理主義的な経歴を持つ人物でもあったはず。グジャラート動乱以降は特にそれっぽい行動を取っていないようですが、冷徹に自分をコントロールできる人物かもしれないなと思いました。
第3章 有望市場へ参入する方法
・インドのニーズと日本製品・サービスが適合していないこと、ローカライズすることが大事なことについて触れられていました。
第4章 進行する数々のプロジェクト
・日本のインド支援の内容や、日印共同プロジェクトについて触れられていました。
第5章 インドビジネス 6つの課題
・インドの課題というよりは、日本とインドの認識や意思決定の違いからすれ違っていることに触れられていました。
第6章 インドビジネス 成功の条件
・インドは組織よりも個人の力が大きく、その力の大きな個人との人脈が重要であることについて触れられていました。
○つっこみどころ
・著者の人工知能研究開発、証券会社やコンサルティング会社への勤務経験、日印パートナーシップ支援等の経歴があまり関係のない内容だと思えました。
・インドの良い点やインドビジネスのメリットを無批判に挙げているだけのように思えました。
一部課題を挙げてはいるものの、大した課題ではないように書かれていて、全体としてインド推し一辺倒の内容だと思いました。