【不倫】レポート

【不倫 実証分析が示す全貌】
五十嵐 彰 (著), 迫田 さやか (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/412102737X/

○この本を一言で表すと?

 不倫に関する統計とその結果から導き出される推論について述べた本

○よかったところ、気になったところ

・「不倫」についてアンケート結果を中心に分析し、相関関係などから因果関係を検討しようとする本でした。
なかなか情報の収集自体も分析も難しそうなテーマですが、興味深いなと思いました。

・共著者の迫田氏の他の共著作「夫婦格差社会」「離婚の経済学」等もそうですが、男女で意見が異なりそうな分野について男女の共著とするのは妥当な手段かなと思いました。
そうでなければ男女のどちらかに偏りがあるという意見が強まりそうに想定されてしまうテーマだと思いました。

・他国の分析と日本の分析で異なる点が多く、特に男女の差異が大きいのが興味深いなと思いました。
女性の地位の低さや偏見の強い国では「不倫」の実行障壁やリスクも男女で異なるのだろなと思えました。

・日本の反不倫規範が低いこと、男性は職場で、女性は自由時間に不倫する傾向があること、男性は外向性が、女性は協調性が不倫傾向と相関関係があることなどが紹介されていました。
男性は女性よりも収入が低いと不倫しやすい、男性は女性と異なり不倫相手に性格の良さは求めていない、収入が高いほど不倫しやすい、などの傾向がある一方で、子供がいるかどうかはあまり関係ない(子はかすがい、は不倫には関係ない)、浮気をするものが結婚後に真面目になる傾向はない等の一般論の否定は興味深いなと思いました。

・不倫相手について、社会的交換理論の観点で年齢に差異(不利)があれば収入などの他の点に有利性を求めるなどの考えが紹介されていました。
当たり前の感覚のような気もしますが、理論的に説明できるというのも興味深いなと思いました。

・不倫が継続する理由や終わる理由まで分析しているのは興味深いなと思いました。
不倫が再婚相手を探すための手段という考え(サーチコスト理論)はあまり成立しなさそうとのことでした。

不倫を非難する側についても分析されているのは興味深いなと思いました。
子供がいることや既婚を隠していることなどは非難されやすく、職業では芸能人が最も非難されにくいそうです。

○つっこみどころ

・アンケート結果を分析していることから、そもそもアンケートに答えるような層という偏りなどもあり、日本の不倫に関する実態をそのまま反映している、とは言えなさそうだと思いました。

・アンケート結果を分析した結果から、どういう層がどのような行動を取るか等の推論が確信的に述べられていましたが、結構な論理な飛躍や主観的な意見も混じっているように思えました。

・自分の主観とは結構ズレているように思えました。
収入や会社の女性比率などより、当事者の嗜好や周囲の環境・認識・常識などの影響のほうが大きいのでないかと思えました。

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