
【天武天皇】
寺西 貞弘 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4480075577/
○この本を一言で表すと?
天武天皇について導入しようとした制度面を中心に紹介した本
○よかったところ、気になったところ
・天武天皇の生涯についてさらっと触れた後、皇親政治と律令制度について詳しく紹介されていました。
・天武天皇がやろうとしていたことは、その準備は進められていたものの、実現は皇后の持統天皇が実現させていたこと、持統天皇の立場を固めるため、天武8年の吉野の盟約で持統天皇が天武天皇・天智天皇の息子の母親であると誓わせたことは、その成し遂げる意志の強さを感じました。
・天武天皇時代の皇親政治は有名らしいですが、その実態と意図は、皇族を臣下として天皇の下に紐づけるものだったそうです。
・有名な大宝律令と、天武天皇が準備して持統天皇のもとで施行された浄御原令の共通点と相違点から、律令制度による臣下の統制の進め方がよくわかりました。
・仏教に対する統制政策は、天武天皇自身の出家経験からでた問題意識かなと思いました。
・他にも天武天皇に関する本を読んでみましたが、天武天皇の立ち位置や持統天皇の立場・業績などについての見解の違いが大きいなと思いました。
少ない資料から想像を膨らませて読み解いているからでしょうか。
○つっこみどころ
・特に前半で、自分の頭の中で考えていることを外に出さず、唐突に結論を話し出す新社会人のような、話の飛び方、切り出し方を感じました。
歴史の流れを説明するところが流れになっていなかったり。
個人的には壬申の乱に興味があったのですが、著者の触れたいところに触れただけでさらっと流されていました。
・和暦だけで書かれている上に年表などもないため、時系列が分かりにくかったです。
西暦も併記するとか、章または巻末に年表をおいてくれたらいいのにと思いました。
・引用者、批判対象者に対して謙譲語で書かれていますが、内容としては割と独善的・断定的に批判をしているように思え、あまり意味がないように思いました。
