【ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階】
ジム・コリンズ (著), 山岡 洋一 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4822248178/
○この本を一言で表すと?
前作・前々作の大外れに対してオチをつけた本
○この本を読んで興味深かった点・考えたこと
・前々作のビジョナリー・カンパニー、前作のビジョナリー・カンパニー2で好例として紹介した企業が、特にビジョナリー・カンパニー2で紹介した企業が数年で破綻したことについて、その理由や要因を解説する、自身で上げて落とすオチの本でした。
○この本の概要
第一章 静かに忍び寄る危機
危機の瀬戸際にあって気づかない
第二章 衰退の五段階
調査の過程
調査結果・・・五段階の枠組み
脱出への道はあるのか
第三章 第一段階 成功から生まれる傲慢
傲慢な無視
何となぜの混同
第四章 第ニ段階 規律なき拡大路線
自己満足ではなく、拡張しずぎ(「大きさ」と「偉大さ」の混同)
成長への固執
パッカードの法則の無視
(どの企業も成長を担う適切な人材を集めるスピードを成長が超えてはならない)
問題のある権力継承
第五章 第三段階 リスクと問題の否認
方針の誤りを示す事実が積み重なるなかで大きな賭けに出る
喫水線下のリスクをおかす
否認の文化(都合の悪い情報の否認)
三つの問い(良い結果になったとき得られるものは?極めて悪い結果のとき受ける打撃は?その打撃に耐えられるか?)
外部への責任の押し付け
第六章 第四段階 一発逆転策の追及
特効薬を探す(ルール・文化そのものを「すぐ」変えようとする)⇔適切なコストで経験を蓄積し検証を進める
パニックと必死の行動⇒本当に必要な行動の逆を打つ(リストラを繰り返し、財務が傾く)
第七章 第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅
戦いをあきらめる
選択肢が尽きる
否認なのか希望なのか
回復する企業は断固たる意思を持つ(国であれば国難にぶつかっても回復する:ウィンストン・チャーチル)
さもなければ取り返しのつかない位置に・・・
第八章 充分な根拠のある希望
○つっこみどころ
・ビジョナリー・カンパニー、ビジョナリー・カンパニー2で持ち上げたものの失速してしまった企業が多数出たことで、そのフォローのために出版したのではないかと思えるような本でした。理想論でベストラーになった後で結果論でオトすというのは節操がないようにも思えました。