【いちばんやさしいRPAの教本 人気講師が教える現場のための業務自動化ノウハウ (「いちばんやさしい教本」シリーズ)】
進藤圭 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4295004936/
○この本を一言で表すと?
RPA導入経験を基に細かいノウハウまで書かれた本
○面白かったこと・考えたこと
・ディップ株式会社でRPAの導入に試行錯誤した著者の経験やノウハウが豊富に載っていて、それぞれ丁寧に説明されていてよかったです。
・図や表がかなり豊富で視覚的にも分かりやすくてよかったです。
・それぞれの項目をLesson1~68に区分して見開き2ページか4ページでまとめられていて読みやすかったです。
Chapter1 RPAの全体像を眺めてみよう
・RPA自体の説明、得意とすることと苦手なこと、ITシステムとの違いなどがまとめられていました。
Chapter2 RPAでできることを知ろう
・RPAの認識方法(座標方式、画像方式、オブジェクト方式)、種類(デスクトップ型、オンプレミス型、クラウド型)や向いている業務・向いていない業務の例示などが書かれていました。
Chapter3 RPAで成果を出すための事前準備
・RPAで成果を出しやすい業務の条件(マニュアルがある、現場にニーズがある、コストが明確、確実性・安全性が求められない)や、RPA導入の依頼先(RPAベンダー、RPA代理店、SIer、コンサルタント)、RPA導入判断テスト(自分テスト→他人テスト→ヒアリング→導入判定)、著者の失敗例(対象が大き過ぎ、開発期間が長過ぎ、予算が大きすぎ、トップダウンで現場とのギャップ等)、RPA導入で起こり得るトラブル(作業ストップ、野良RPA、特定部門に負担)、著者が成功した要因「アーリースモールサクセス(小さく早い成功を目指す)」などが述べられていました。
Chapter4 実際にRPAを使ってみよう
・クラウド型の「BizteX cobit」を例として実際にロボットを作成した事例が各操作単位で書かれていました。操作感まで分かってわかりやすかったです。
Chapter5 RPAの導入計画を立てよう
・RPA導入計画の立案・進行について書かれていました。
メジャーなRPAツールが表でリストアップされていて、選定する際の条件「取り扱う環境」「開始規模」「セキュリティ」「カスタマイズ」「予算」や、自社能力フィット表(業務タイプ、推進タイプ、必要な人数、必要人員タイプ、必要スキル、導入期間、必要予算、個人情報の取り扱い)、業務ヒアリング方法(アンケート、アイデアソン法等)、推進する社員に対するコンセプト作り、チーム作りなどについて述べられていました。
Chapter6 RPA稼働までの流れを知ろう
・RPA導入の流れが書かれていました。
アジャイルで短いスパンで修正しながら迅速に導入すること、情シス部門が現場に行って協働することで現場にノウハウを残していくこと、ロボットに合わせたデータ作り、業務フロー変革などについて述べられていました。
Chapter7 RPA運用のポイントを知る
・導入後の運用について、稼働状況のチェック、停止した場合の運用、ロボットの見える化、定期報告、発展(他部署への展開、AI等との連携)などが述べられていました。
Chapter8 成功事例に学ぶRPAの効果
・成功事例が6事例挙げられ、共通点として「旗振り役の存在と現場を育てる環境」「小さく回して大きな成果を得る」が挙げられていました。
○つっこみどころ
・Chapter8の成功事例はかなり内容が薄くて残念でした。