【日本その日その日】
エドワード.シルヴェスター・モース (著), 石川 欣一 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062921782/
○この本を一言で表すと?
明治時代の親日家モースの日本滞在記
○面白かったこと・考えたこと
・「汚い子供」「醜い姿」など率直な感想も交えつつ素直な感想としての称賛が書かれていて、日本人向けに迎合して書いたわけでなく、自分が思ったことを書いたのだろうなと思いました。
・「逝きし世の面影」で書かれていた肯定的に捉えた日本人の姿の大部分とモースの感想が重なりました。実際にモースの著作からの引用が多くされていたので、その元に当たることができてよかったです。
・モースが書いた挿絵が、モースが感じたこと、見たものを伝えていていいなと思いました。絵心があればこういったことも残せるのだなと羨ましくも思いました。今だと写真で取るのでしょうが、絵で描かれていることでまた味があるなと思います。
・日本初の学会設立に携わったり、考古学などで貢献したり、モースは日本の学問の基礎の一部を築いた人なのだろうなと思いました。
・日本食を楽しめるようになったり、日本の風流さを楽しんだり、現地に密着して研究する研究者として、また純粋にその風土を楽しむ者として、よい生き方をしているなと思いました。講談を楽しむところなど、かなり理解も進んでいるなと思いました。
○つっこみどころ
・モースが親日家過ぎてかなり良い方向にバイアスがかかっているなと思いました。「逝きし世の面影」では日本に嫌悪感を抱いた外国人の話も載っていましたが、そちらの視点でモースと同じような立ち位置の人の日記があれば読んでみたいと思いました。
・犬がどのような態度を取るのか調べるために石を投げつけたり、学者らしい倫理の欠け方をしているところもちょこちょこあるなと思いました。