
【「美食地質学」入門 和食と日本列島の素敵な関係】
巽 好幸 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334046371/
○この本を一言で表すと?
マントルの動きの結果である日本の国土がどのように日本の美食に関するかを述べた本
○よかったところ、気になったところ
・日本が4つの大きなプレートに影響され、どのような地形になっていったかと、その結果、特異な地形・地質になった場所で和食の基本的な素材が育まれていったことが説明されていました。
・ところどころで、美食家の著者の各地で食べた料理の体験談などが盛り込まれていて読んでいてお腹が空く本だなと思いました。
・日本南のフィリピン海プレートが、日本東の太平洋プレートに押され、約300万年前から北上していたのが北西に移動するようになって日本の地形に大きな変化を与えたことが、一番大きな要因として各所で挙げられていました。
・出汁や醤油など、和食の基本となる液体の水の適性が各地の味に変わっていったことが詳しく説明されていました。
昆布を使うか使わないかの話は以前聞いたことがありましたが、海外の水との比較や関東・関西の水の比較、名産地の立地など様々なことが深掘りされていて勉強になりました。
・魚介類の育つ環境として、穴子などが育ちやすい砂地かどうか、しじみが育ちやすい塩分濃度かどうか、旨味に変わるATPが産生されやすい急な流れかどうか等があり、適した環境が日本各地にあることを改めて知ることができました。
○つっこみどころ
・「美食やその素材と環境との関係」「環境と地質学との関係」を「A←B、B ← CだからA ← C」のように繋ぎ合わせて「美食地質学」としているからか、ところどころ関連が薄いと思えるような話が出てきました。
・著者の専門分野とそれ以外の差なのか、マグマ、マントル、プレート・テクトニクスを主要因とする話が多く、古気候学や海洋環境の話が薄く、「地質学」としては偏っている印象を受けました。
