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【ル・ボン『群衆心理』 2021年9月 (NHK100分de名著)】簡易レポート

【ル・ボン『群衆心理』 2021年9月 (NHK100分de名著)】
武田 砂鉄 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4142231294/

○この本を一言で表すと?

 「群衆心理」の一部を抜粋して著者の意見を加えて再構成した本

○よかったところ、気になったところ

・原著のすべてを説明する形ではなく、一部を取り出して身近な事例と併せて再構成して紹介するような形になっていました。

・原著を読んでヒトラーの「わが闘争」の内容と似ていると思いましたが、原著がヒトラーやフランクリン・ルーズベルトの愛読書だったと書かれていて納得できました。

・原著にない著者自身の考え方や、ル・ボンより後の時代の群衆心理の適用についても書かれていました。
第4回はほとんどオリジナルだったと思います。群衆と連帯を分ける考え方も面白いなと思いました。

○つっこみどころ

・原著を恣意的に引用しているように思えました。
この本自体に「疑って読むように」と書かれていて免罪符とされていたのが気になりました。
特に後半になるにつれて自分の意見に寄せていくように書かれていました。

・原著の記述については明記していましたが、原著の考え方と原著にない考え方の区分が明確でなく、原著にもこの本オリジナルの考え方が書かれているように誤解しそうだなと思いました。

・第一回の「ル・ボンは五つの特性・傾向を上げて詳しく論述しています。その第一が・・・」という流れで第四までで終わっていたのでもやっとしました。
原著の第一篇第二章の内容のことだと思いますが、この章の第五節では徳性について述べられていて、この徳性については第四回の初めで説明されていました。
並列で書くか、第五は後に説明すると述べておくか、わかりやすくしてほしいと思いました。

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