
【百年戦争 中世ヨーロッパ最後の戦い】
佐藤 猛 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4121025822/
○この本を一言で表すと?
百年戦争を主要人物の動きを中心に様々な背景を含めて説明した本
○よかったところ、気になったところ
・「百年戦争」という名称は教科書を含めた西洋史に関する本では頻出するものの、具体的な内容は後半にジャンヌ・ダルクが登場することくらいしか知らない、ということが多いように思います。
この「百年戦争」についてその前提条件なども含めて、この本では王族や貴族の主要な人物を通して描写されていて、具体的な内容を知ることができて良かったです。
・主従関係、臣従礼などが複数重なること、名目や儀礼が尊重され、会戦を実際に行う際にはその準備にかなりの期間と手間がかけられていたこと、フランス王継承権の有無が実際にフランス王になることだけでなく、戦争の名目として重要だったことなど、背景が複雑だなと思いました。
後半ではその名目や儀礼を無視する将軍なども登場して、前提そのものの変化などもあって興味深かったです。
・百年戦争の全体において、イギリスとフランスの国力差よりも国内の状況に左右されることが多いなと改めて思いました。
国王の資質、主要貴族の資質等を中心に描写されているからかもしれませんが。教会大分裂、ペスト大流行など、さまざまな重要な要素が絡み合っていて、複雑だなと思いました。
・各身分の地位も安定していない、税制などの制度も安定していない時代で、敵対勢力や近隣勢力との合従連衡があり、どの勢力もかなり流動的な時代だなと思いました。
○つっこみどころ
・具体的な地名が随所に記載されていますが、それに対応する地図があまりないため、地理関係については分かりづらいなと思いました。
地理関係と家名の紐付きについてもどういった対応関係だったか振り返りづらかったように思えました。