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【ブラジル 巨大経済の真実】【2020年のブラジル経済】レポート

【ブラジル 巨大経済の真実】
鈴木 孝憲 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532353106/

【2020年のブラジル経済】
鈴木 孝憲 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/453235451X/

○「ブラジル 巨大経済の真実」「2020年のブラジル経済」読んでみて考えたこと・思ったこと

・「レアル・プラン」でハイパーインフレが沈静化してから、農業と工業の双方で存在感を出しているブラジルは確かに今後も伸びていきそうだなと思いました。

・問題として、治安、金利高、公的支出大、税金高、労働者の権利過大、インフラ投資の偏り(輸送、港湾、空港、電力など)等が挙げられていて、下手をすれば日本よりも構造改革が必要な国だなと思いました。

・ルーラ元大統領の貧困層への生活補助により購買力が底上げされた、とありました。日本も生活補助で底上げされている部分が大きいのであれば、その上で不景気とは更に深刻だな、と思いました。

・ルーラ元大統領の支持率が、所属政党で続々と汚職が見つかっても、キューバで大失言をしても落ちなかったのは、日本と違うところだなと思いました。

・三井物産のブラジルへの取り組み方がすごいなと思いました。(①ヴァーレ鉱山開発会社の普通株15%取得②鉄道車両のリース③ガス配給会社がスパート持ち株会社の100%買収④ペトロブラス傘下の石油精油所の近代化プロジェクトへの参加⑤バイオエタノール・パイプライン建設でペトロブラスと提携⑥ペトロブラスとバイオエタノール工場設立⑦ブラジル穀物トレーダー傘下の大農場「アグリコラ・シンゴー」の株式25%取得)

・日本に働きにきている日系人が多いと書かれていたので、一度会って話を聞いてみたいな、と思いました。

・リーマンショックから始まる危機に対する対応措置がすごいなと思いました(①国立銀行などを動員して消費者金融部門などに大量の資金を投入②外貨準備使用による企業の対外借りの期日返済肩代わりと貿易支援③工業製品税の減税④中央銀行基準金利の引き下げ⑤経済社会開発銀行の中長期金利を引き下げと融資枠の拡大⑥低所得層向け住宅100万戸の建設決定)

・ブラジルの物価が世界一高い、というのに驚きました。(マクドのビッグマックもサンパウロがニューヨーク、ロンドン、東京より高い。原因は為替レートのレアル高と税金)

・超深海油田プレ・サルの開発とW杯・五輪の関連が面白かったです。(利益配分案で地元が反対する案が成立すれば開催できないおそれも)

・車だけでなく、火力発電もフレックス化されていくという話が面白かったです。(2010年3月にペトロブラスとGEが共同開発)

・バイオエタノールの地球温暖防止効果の計算を初めて知りました。(生育時に吸収される二酸化炭素と燃焼される二酸化炭素で差し引きゼロ)

・ブラジル人の外国産を国内産と思って意識していない、という大らかさが面白いなと思いました。(例えば、スーパーの上位3社は外資だが、それでとやかく言われない)

・韓国の現代自動車の3年以上いろんな新聞や雑誌で1ページ以上の広告を出し続けてPRしているのが面白かったです。

・公務員の人件費がGDPの5%にまでなり、2010年調査で連邦政府と州政府から給与を二重取りしていた者が16万4,000人存在していた、というのはすごいと思いました。

・ブラジル高速鉄道入札に関する話が面白いと思いました。(ブラジル政府の需要見込、リスク見積の甘さ。40年の運用義務。韓国の事故率。日本の技術。駐伯日本大使のささやき。)

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