ゼミナール経営学入門 第3版
伊丹 敬之 (著), 加護野 忠男 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4532132479/
第16章<矛盾、学習、心理的エネルギーのダイナミックス>
○組織マネジメントに表れる矛盾
成長の矛盾・・・環境⇔組織⇔個人
発展の矛盾・・・環境変化、不均衡、学習と蓄積
慣性の矛盾・・・システムロック(業務システム的なつながり、管理システム[評価])
ヒューマンロック(思考、感情)
○矛盾と発展のマネジメント
矛盾の解消、積極的な利用
⇒学習と心理的エネルギーのダイナミズム
⇒情報とエネルギーのストック
⇒企業の発展に寄与
○学習のダイナミズム
・企業における個人の学習
行動による学習(Learning by doing)⇒仕事や行動の工夫により向上
学ぶ≒真似ぶ ⇒ 人、組織から吸収
保守性 ⇒ 自分、組織に固執
・組織の学習のダイナミズム
個人的知識のプール
⇒個人の属人的知識
共有、分有された知識
⇒個人知識の共有
⇒規則化等の形式知化
⇒組織内でのコミュニケーション
⇒意思疎通
○心理的エネルギーのダイナミズム
有効エネルギーの合成と場のエネルギー(P.443)
ネガティブエネルギーとポジティブエネルギーのダイナミズム(P.446)
○学習とエネルギーの相互作用と矛盾のマネジメント
学習とエネルギーのフィードバック(P.451)
<演習問題>
1.一人の人間の成長のプロセスであらわれるさまざまな矛盾や不均衡を考え、それがなぜ生まれるのか、どの様に成長に貢献していくかを考える。また、一人の人間の成長を企業に当てはめると、どのようなことが企業成長について言えるか。そして、個人の成長と企業成長の違いは何か。
⇒人間の成長:成長→成功→衰退→失敗→成長・・・
個人と企業の違い:舵の切り方・容易性、慣性の強さ、ステークホルダーの数
2.個人の学習と組織の学習とは、何が似ていて、何が違うか。組織学習の定義を考えて上で分析。
⇒SECIモデルは個人でも適用できる。
コミュニケーションによる情報交換・要約・発展と保守性が組織において強い(慣性)
内部に持つ属性の多様性から、生まれる矛盾と発展のレベルが異なる。
3.戦後の日本企業の発展過程で、ポジティブエネルギーとネガティブエネルギーのダイナミズムがどのように表れてきたか。「失われた十年」と言われる90年代の日本企業にはなぜネガティブエネルギーが大きく生まれなかったのか。
⇒戦後:危機感→成長→成功のプロセスを長期的に歩んできた。
失われた十年(二十年):一度コケてネガティブエネルギーが生まれたものの、まだ余裕があり、内向きのエネルギーを生まないネガティブさになっていて、まだ成功体験の上にいる。