【2025年を制覇する破壊的企業】
山本康正 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4815607591/
○この本を一言で表すと?
最先端企業の動きからみた2025年までの世界の動向とその対策の本
○よかったところ、気になったところ
・最近の動向が広く紹介され、その中でも日本に関わってきそうな内容が重点的に説明されていて分かりやすかったです。
はじめに
・2025年の生活の姿が物語風に書かれていました。
ロボタクシー、アップル製品と連動したアップルホテル、AI先生、自動調理、エンディングが変わる映画など、これらが2025年に実現するのであれば、普段の生活も変わりそうだなと思いました。
第1部 2025年はどうなっているか?
第1章 世界最先端11社の思惑と3つのメガトレンド
・著者が未来を決定づけるとする11社、「Google」「Amazon」「Facebook」「Apple」「Microsoft」「Netflix」「テスラ」「インポッシブル・フーズ」「ロビンフッド」「クラウドストライク」「ショッピファイ」の最新動向や方向性の概要が書かれていました。
・BATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)は中国からほとんど出られず、あくまで中国語圏のサービスで、今成長しているのは14億人の国内市場があるからだとしていました。
日本、イスラエル、エストニア等も含めて、人材面、成長できる環境面でアメリカには太刀打ちできないだろうとのことでした。
・第2章から第4章で紹介する3つのメガトレンド「業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来」「ハードでもソフトでもなく“体験”が軸になる」「データを制するものが未来を制す」の背景と概要が書かれていました。
第2章 11社がつくるメガトレンド①業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来
・本業を決めない、複数業種にまたがって業種の壁を超えることが重要と述べられていました。
同じような時期に書かれた「日本企業の復活力」では真逆のことが書かれていて、本業を軸としない業種はダメだとされていました。
見方の違いかもしれませんが興味深いなと思います。
・激変する業種が8つ挙げられていました。
農業では都会のビルの植物工場や、農業・漁業で収穫したタイミングで値決めする仕組み、ドローンで作業する仕組みなど、農業と技術のクロスで起こるそうで、身近で興味深いなと思いました。
第3章 11社がつくるメガトレンド②ハードでもソフトでもなく“体験”が軸になる
・販売してそれきりではなく、販売後のアップデートや他の技術とのコラボレーションが重要で、体験が軸になると書かれていました。
第4章 11社がつくるメガトレンド③データを制するものが未来を制す
・データの収集、データの活用が様々な業種を変えていくことが書かれていました。
第2部 2025年を生き抜く処方箋
第1章 5年後に破壊される企業、台頭する企業
・サブスクリプションがより重要になっていくものの、不動産や自動車、家具などの摩耗する商品には合わないこと、中間業者が淘汰されていくことなどが書かれていました。
・特に危険な8業界として「小売」「エネルギー」「金融」「ゲーム」「Sier」「家電」「モビリティ」「対面だけの教育」が挙げられていました。
第2章 5年後、あなたの仕事はこう変わる
・著者が2025年に必要と考える5スキル「英語」「ファイナンス」「データサイエンス」「プログラミング」「ビジネスモデルが読める」について説明されていました。
○つっこみどころ
・著者の推す11社の中でも成長中の企業については直接紹介するところ以外ではあまり触れられず、そのインパクトが伝わってこなかったなと思いました。
・11社だけでなく、3つのメガトレンドも②と③は微妙な内容と記述で、第2部は取ってつけたような薄さで、無理やりボリュームを出そうとしているような印象でした。
・全体的に記述が浅く、ネットで検索したほうが詳しい情報が出てきそうな箇所が多かったです。
・いろいろ推している11社の商品の中で、テスラを推すところにかなり力が入っていて、不自然さを感じました。