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【中江兆民 『三酔人経綸問答』 2023年12月(100分 de 名著)】レポート

【中江兆民 『三酔人経綸問答』 2023年12月(100分 de 名著)】
平田 オリザ (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4142231588/

○この本を一言で表すと?

 中江兆民についてを卒論テーマにした劇作家による三酔人経綸問答の解説の本

○よかったところ、気になったところ

・劇作家、演出家の平田オリザ氏が「三酔人経綸問答」の解説をするというのが意外でしたが、平田オリザ氏は大学で哲学を専攻していて、卒論のテーマは中江兆民の「一年有半」「続一年有半」だったそうです。

・なぜ「三酔人経綸問答」が問答形式なのかということの理由の一つとして、「三酔人経綸問答」が書かれた1887年には、日本初の口語体で書かれた小説の二葉亭四迷の「浮雲」の第一篇が出たとして、言文一致の始まりの年であり、問答形式でないと生き生きとした文章が書けなかった、ということが挙げられるそうです。

・南海先生こそが中江兆民の写し身のようなものかと考えていましたが、平田オリザ氏は三者ともに中江兆民の本音を反映しているそうです。
特に豪傑君については眉批で「豪傑君は、生まれてくるのが少し遅かった」とあり、これは中江兆民自身が坂本龍馬や板垣退助などの土佐藩の上の世代に遅れて生まれてきたことへの屈折した思いが含まれているそうです。

・豪傑君の意見はともかく、洋楽紳士の意見は極端すぎるように思えていましたが、平田オリザ氏は当時の状況であればそれほど極端な意見ではなかったという味方をしていました。
明治維新の19年後に出版されたということを、戦後10年以上経った昭和30年代の平和主義の考え方と照らし合わせるとそれほど違和感がないそうです。

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