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【職業としての政治】レポート

【職業としての政治】
マックス ヴェーバー (著), 脇 圭平 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4003420977/

○この本を一言で表すと?

 政治家の類型とあるべき形について触れた本

○考えたこと

・マックス・ウェーバーの他の本に比べてかなり読みやすい文章でした。学生向けの講演を元にしているからでしょうか。

・国家を暴力装置とみなしていることは、マックス・ウェーバーのオリジナルではないかもしれませんが、その前提を置いて先の議論を進めているのは分かりやすいなと思いました。

・支配の系統として過去からの習俗などに基づいた「伝統的支配」、個人の指導的資質に基づいた「カリスマ的支配」、制定法規や規則に基づく権限に基づいた「法的支配」の3つに分類しているのは分かりやすいなと思いました。

・社会的名誉を求めない「プロのボス」が政治家と政治家から利益供与を受ける者を繋ぐ存在として政治の世界に存在することは、日本でも大いにあり、どこの国でも時代を超えて存在しそうだなと思いました。

・政治家に必要な資質「情熱・責任感・判断力」はかなりわかりやすく、能力があり実行する政治家には確かに必要そうだと思いました。

・「権力本能」という政治家にとってのノーマルな資質が過ぎて自己陶酔の対象となる時に、政治家が「本筋から外れて」政治家という職業の精神に対する冒涜が始まる、というのはどの時代にどの場所でも現れる、どこか政治家の平均的な症状のようにも思えました。

・暴力装置である国家を動かす政治家が、情熱と判断力の二つを駆使しながら、粘り強く物事に当たり、くじけない人間であること、どんな事態に当たっても「それにもかかわらず!」と言えること、それが政治家を「天職」とできる、という結論は理想論ではありますが、そういう人間は確かにそういってもいいように思えました。

○参考にならなかった所、またはつっこみどころ

・全体の概要をまとめた章や節があれば後で見返してもわかりやすかったと思いました。少し日を置いて他の本を読んだ後に見返すと、どのような内容が書いてあったかをほとんど忘れていました。

・ジャーナリストが政治家にはなりにくいという話は、その後の経緯からすると大きく外しているように思いました。

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